とねり場

森の中の小さな集落。そこに住む人々は、

背中から翅の生えた「妖精」たちでした。

かつて「有翅族」と呼ばれ「人間」と交流していた彼らも

今では数が減り珍しい種族の一つと伝えられています。

 

妖精メリアは14歳の女の子。

冒険が大好きで、ちょっぴりおてんばな彼女は

今日も妖精の友達ナラを無理やり引っ張って

里を抜け出しおたから探しに森へ冒険に行くようです。

 

長老のばあやに

「危険だから森の外へは行ってはいけない」と言われているのに

どこまでも突き進むメリアにナラは内心ハラハラ。

森一番の大樹の前で彼女を止めようとすると

 

「あれって……人間？」

 

今日のおたからは今までにないほど メリアをかき立てたようです。

人間の少女が一人、暑さで倒れているのでした。

 

少女を介抱する二人。 やれることはやりましたが、目を覚まさない少女

遅くなるとばあやに里を抜け出したことが バレてしまいます。

仕方なく帰ろうかとしたその時、

 

「あなた方は、妖精ですか……？」

それが、三人の少女たちの出会いと大きな旅の始まりでした。